春日 順雄氏によるコラム「命を引き継ぐ 木や虫たちの知恵」
19 セイタカアワダチソウ
8月から10月にかけて、野原を真っ黄色に染めて咲くセイタカアワダチソウの大群落を見ることがあるでしょう。北アメリカ原産の多年生草本です。
日本への渡来は明治年間、観賞用に導入されたといわれています。それが逃げ出して全国に広がりました。晩秋まで花があるので養蜂業者が全国に広めたことがあるといわれています。
どうして大群落を作ることが出来るのでしょうか。長い地下茎をだして栄養繁殖しますが、その際この植物は根から化学物質を分泌して他の植物の生育を阻害しています。植物が特殊な化学物質(アレロパシー物質)を出して、周辺の生物の成育をコントロールする現象をアレロパシーといいます。大群落の形成はアレロパシー植物だからです。
アレロパシー物質は自種に対しても阻害的に働く場合があります。セイタカアワダチソウは自分が出す化学物質によって勢いを減じていくといわれています。