「森林資源の循環」とウッディーズ

 木は人間の営みに欠かせないものです。住宅建材はもとより、テーブルやイスなど、私たちの身近にたくさんの木材製品があり、日々、恩恵を受けています。今後も持続的に木材を有効活用していくことが大切です。  地球温暖化の抑止など自然環境の観点からも、災害に強く健全な森林が必要で、計画的な森林整備が求められます。人の手を加えた人工林は、植栽後、長い年月をかけて育て、育った木は必要な分だけ伐り、伐ったらまた植えて育てる。このサイクルを繰り返すことで、持続的な森林資源の確保が可能になります。

 木を植えるだけで思った通りの木が育つ(木材として使える木になる)わけではありません。植えた後に、その木が健全に育つように見守り、長い期間手当することが必要です。「植える」⇒「育てる」⇒「伐る」⇒「植える」・・・のサイクルが必要とされており、

ウッディーズの活動は主に「育てる」を担っています。

なぜ間伐するの?(間伐の必要性)

 間伐とは、森林の成長に応じて樹木の一部を伐採し、過密となった林内密度を調整する作業です。間伐を行うと、光が地表に届くようになり、下層植生の発達が促進され森林の持つ多面的機能*が増進します。間伐を行わず過密なままにすると、樹木はお互いの成長を阻害し、形質不良になります。また、残った樹木が健全に成長することにより木材の価値も高まるため、間伐は大変重要な作業となります。
(林野庁ホームページより抜粋)

※森林の持つ多面的機能

【水源涵養】⇒ 水をきれいにし、蓄える
【山地災害防止】⇒ 根がしっかり土をつかみ、山が崩れるのを防ぐ
【快適環境形成】⇒ 防風や防雪で災害を防ぐ
【地球環境】⇒ 二酸化酸素を吸収し酸素を供給(木を伐っても二酸化炭素を閉じ込めたまま)
【生き物多様性保全】⇒ 様々な植物、動物を育む
【木材等生産】⇒ 建築物の木材を供給。地球に優しいエネルギー、炭や薪などを供給
【保健文化】⇒ 美しい景観やレクリエーションで、人の精神を落ち着かせ育む
間伐を実施しなかった場合
林床に光が差し込まないため暗く、下草が生えない。
下層植生の消失により土壌が流出しやすくなり、森林の水源涵養機能が低下する。
成長に伴い風を受ける樹冠が上方に移動することにより、もやし状の森林となる。
間伐前の松林
間伐を実施した場合
光が林内に差し込むため、下層植生が繁茂する。
下層植生が繁茂することで風害や山地災害に強くなり、森林の水源涵養機能や土壌保全機能が高くなる。
成長に伴い幹や根が太く発達する。
枝打ち後の松林

間伐ボランティア「札幌ウッディーズ」は、活動を通して
北海道の森林が健全に育つように活動を行っています