森林人通信

2022年 ≪冬号≫ Vol.124  2021.12

10月、11月の活動のあらすじ

  • ●10/1(日) 髙川山林 作業道づくり・笹刈り  参加者:15名
  • ●11/6(土) 臨時活動 「ものつくりZEALAND」 参加者:18名
  • ●11/12(土) 苫東環境コモンズ 風倒木処理・薪材採集 参加者:17名
  • ●11/27(日) 苫東環境コモンズ 風倒木処理・薪材採集 参加者:15名

順調すぎて、来年の仕事がなくなる!

10/1(土)髙川山林 参加者:15名(子供2名) 天候:晴れ

 コシイタ南部です。2ケ月の沈黙を破り、ようやく前線復帰しました。本日は高川山林、北尾根斜面、新エリアの遊歩道に着手と、残っている笹刈りです。

 笹刈り班は午前中3名で笹刈りを行います。斜面なのでなかなか大変な作業ですが、準備を整え作業開始です。

遊歩道班は、急こう配の北尾根の開拓作業です。
遊歩道作りは、春から鍛えてきたおかげで皆お手の物、三本鍬を手にあれよあれよと進みます。

想定外のスピードで、エリアマネージャーの宮田氏が「来年の仕事が無くなる!」と心配する程のスピードでした。

 が、ここでコシイタ姉妹(佐藤友・南部)に加えて早坂氏が急遽コシイタ連盟に入会。
股関節を痛めて離脱することになりました!
あちこちで、首が痛い、腕が痛い、とぼやく声が聞こえてきます。
皆さん、無理は禁物。ほどほどで楽しみましょうね。

 午後は遊歩道の完成度を高めていきます。海岡氏は先頭を行く切り込み隊長、女性陣は匠な補正で美しい遊歩道に、園田氏は個性的な土留め作り、そして会長はおたのしみ係り。遊歩道の先には、会長作のターザンロープが出現。未来の会長レイマと、副会長テツが早速試乗。「かもめの園児も乗れる」とお墨付きを頂きました。

 他にも倒木のアーチがあり、それはそれは魅力的なエリアが出来上がりました。
 ランチには会提供の美味しい甘味・かもめ保育園からの差し入れジュースを頂き、季節外れの真夏日をしのぎました。

次回も来年もその先も、この山の遊歩道作りは続きます。ここで遊ぶこども達を想像すると、鍬を持つ手に力が入ります。10年後20年後も、この山がこども達の楽しい場所であることを願います!!

(南部:記)

臨時活動ながら大人気!すごい重機に見入る

11/6(日)ものつくり「ZEALAND」 参加者:17名(体験1名) 天候:晴れ

 早朝の冷たい空気を感じながら車を走らせること30分余り。
途中橋の上は凍結しており四駆に入れていない車(軽トラック)はテールを振りながら走行していく。もうすぐ雪のシーズン到来である。行先は札幌市中央区にある幌見峠の頂上「ZEALAND」が運営するフィールド。
 この「ZEALAND」、なんと女性二人のみで鎌と鉈を頼りに山林を開墾し展望デッキを製作。現在は女性4~5名で畑を耕しいくつかのイベントを企画・運営しながら来年開業予定のキャンプ場造成に力を入れている。我が「札幌ウッディーズ」はそのお手伝いとして除伐作業に行ってきた。

 今回は臨時活動。年間予定には無い突発的に生じた現場であり単発の現場。告知期間も短く参加者はそれほど多くはならないであろうとタカをくくっていた。ところがいざ活動日が近づいてくるとあれよあれよという間に参加希望者が増えていき、なんと17名もの参加となった。

「ZEALAND」側と協議の上、急遽駐車場確保として広場に有ったドロの木を3本伐ってもらい何とかスペースを造成してもらう。その甲斐有ってかろうじて全台数の車両が駐車することが出来た。
 いつものごとく方言ラヂオ体操(今回は関西弁)。朝礼後、作業分担をしていざ現場へ。

 フィールド内数カ所に分かれて作業に当たるが、人数が多いため進行具合が殊の外早い。開始後2時間ほどで玉切り材の山が出来てきた。

 お昼は前回中止で出来なかった焼肉。温かいスープや現地で栽培されている下仁田ネギ、ニセコ産原木シイタケなども有りとても豊かな食事となった。

 午後からは、本日もう一つのお楽しみとなる高性能林業機械の作業を見学する。
その名も「フェラーバンチャ―ザウルスロボ」。
立木を掴んでハサミで切断。伐倒後はバケットで伐根・整地までこなせるすごい機械。全員が手を止めて力強い重機の作業を食い入るように見学した。

 その後作業路に有る切り株も抜いてもらい、軽トラックで玉切り材をピストン輸送する。
「ZEALAND」で使用する薪材、会員多数が持ち帰る薪材を無事に集めることが出来、順次積み込んで流れ解散となった。
 久しぶりに新しい現場で新しい出会いが有りフレッシュな気持ちで活動することが出来た。これもひとえに準備や段取り、打合せ等を忙しい中進めてくれた仲間達が有ってのこと。感謝である。

 そして残念ながらヒヤリ・ハット報告が一件。詳細は省くとして次回以降の課題になった。このように日々反省と改善を繰り返しながら次の活動がより良い活動となるよう努力を重ねることが大事。全会員でPDCAサイクルを考えながら活動できることが理想である。

(冨士本:記)

〜バランスの良い林を目指して〜

11/12(土)苫東環境コモンズ 育林コンペ 参加者:17名(体験4名) 天候:晴れ

 札幌から高速で1時間のところにある苫東環境コモンズへ行ってきました。今回の活動は、年に2回ある育林コンペの1回目。次回は、11月27日(日)に開催されます。
 主な活動は、間伐、枯損木処理、薪材採集となります。薪ストーブユーザーからは「ここのナラは最高にいい」ととっても喜んでいました。私も薪ストーブを使っているため、とてもわくわくして活動に参加させていただきました。ご興味のある方は、ぜひ次回はご参加ください。今回の活動には、通常のメンバーに加えモエ・ヘネシーさんから4人の方が体験にて参加してくださいました。

 今回の活動の主な目的は、何よりも林を整えること。冨士本会長から初めに森林密度についての話をいただきました。
この場所での活動は、まず森林密度を測り、木の本数が密集しないように本数を数えるところからスタート。ビニール紐を持ち合いながら木の本数をみんなで数えていきます(直径7センチ以上の木を数える)。

そして、余分な木を選び、倒していくことになります。選ぶ基準としては、萌芽したものや倒した際にかかり木にならないものを選ぶなどの難しさがありましたが、先輩の方々の木を選び方がとても参考になりました。やはり現場で学ぶのが一番。奥が深い世界でした。冨士本会長からのありがたいお話の後活動に移ることになりました。
 今回の活動の注意点としては、笛を吹いても周りに人がいないかを自分自身でしっかりとチェックすること。枯損木を切った際に、倒れるときに木が折れて頭に落ちてくることに注意。私は、2回目の参加となるため、このような一つ一つのアドバイスがとてもありがたい。そして、自分自身が笛を持っていないことに焦りを感じています。次回は、必ず持参したいと思います。

 活動にはいるとそれぞれ各地に散らばり、素早い手つきで木が倒されていきました。山の中に、こだまするチェンソーの音と笛の音。時間があっという間に過ぎていきました。

 お昼になると佐藤友子さんからのキノコや野菜のたくさん入った温かいお味噌汁をいただきました。外での活動では、何よりも染みるものがあります。緊張した時間と体力勝負の現場では、とてもありがたいです。感謝しかありません。

 お昼が終わると一旦車に薪を積み込みました。みなさん積み込み量のギリギリまで積み込み、顔には笑顔。協力して「まだ入る、まだ入る」と言いながら積み込むのも楽しい時間です。

 午後も午前と同様に活動を行いました。天気と気温に恵まれて快適に活動をすることができました。そして、時間よりもやや早めに活動は終了。
体験で参加されたモエ・ヘネシーの方からは、日頃は経験することができないことを体験することができ、今後の仕事に活かしていけると充実した1日であったことが伺えるコメントをいただきました。
 今回も充実した1日となりました。私自身ももっと戦力になれるよう頑張りたいと思います。ありがとうございました。

(江田:記)

私はこんなひと
井上さん

仲間のプロフィール:井上 里穂 さん

入会:2022年6月  趣味:日光浴・アナログゲーム

 こんにちは、井上里穂です。6月頃に入会し、ごくたまに、活動に参加しています。
 私は札幌に住む大学生です。大学では音楽を学んでいます。好きなことは日光浴とアナログゲーム、好きな動物は鶏、出身地は茨城です。高校時代は島根の山間で過ごし、それをきっかけに自然が好きになりました。
 私にとって札幌は、これまで住んだ中で最も都会的な街です。そこで暮らして1年、土の匂いや生き物の気配が恋しくなり、どうにかまた自然と関わることはできないかと探していたところウッディーズに出会いました。山の管理には携わったことがないので、最初は、ボランティアなんか務まるのだろうか?という不安も多少ありました。ですが、思い切って体験参加をしてみると、皆さん想像以上に歓迎してくださり嬉しかったです。そして何より、土があり、木があり、耳をすませば生命の息づかいが聞こえてくる…というだけで、心底幸せに思いました。
 そこそこ忙しいため参加率は悪いのですが、できるだけたくさん参加したいなと思っております。どうぞよろしくお願いします。

私はこんなひと
高橋さん

仲間のプロフィール:高橋 秀敏 さん

入会:2022年5月

 生活の半分は北海道で暮らしていますが、元々は富山の生まれです。製薬会社に入社後、合併を機に退社、その後別の会社に勤め2年前にリタイアし今は悠々不自由な生活をしています。
 ウッディーズに入ったきっかけですが、30歳の頃でしょうか、あるきっかけで木、樹木に関心を持っようになりました。その当時、ある樹木医の方と話す機会があり何の知識、経験のない者ですが、何か自分にできる事はないでしょうかと相談した事がありました。そして言われた答えは、木々の声が聞こえるまで山にこもれば、自分ができる事が見つかる一番いい方法だ(ん〜深すぎる)と言われた事が想いだされます。木々の声を聞く?、別にお釈迦様になりたい訳ではないのにと内心思いました。後日談として、その方有名な方だったのでしょう樹木医としての半生という題でNHKのラジオ番組に出演されていました。
 それから30年たち、木々の声は相変わらず聞こえず、聞こえてくるのは耳鳴りぐらいですが、とにかく一度何か活動してみようと思ったのがきっかけです。満足な活動できていませんが、宜しくお願いします。

会員の展示会のお知らせ

「FOREST CHARMS 張り子の生き物たち」展

(ウッディーズ会員:佐藤 ひかり)

 このたび、北海道の森に生息する愛らしい生き物たちを、古来より縁起物として親しまれる「張り子」の技法で制作した展覧会を、下記のとおり開催いたします。
 来年の干支「卵」にちなみ、エゾユキウサギやナキウサギを展示するほか、エゾモモンガやエゾオコジョ、エゾフクロウ、エゾヒグマなども展示します。また、エゾモモンガやエゾリスの日本画や、四季折々の北海道の森をイメージした抽象画なども展示の予定です。年末のお忙しい時期と存じますが、何卒ご高覧を賜りますよう、お願い申し上げます。

● 会期:2022年12月23日(金)~12月27日(火)
 11:00~18:00(最終日は17:00まで)
● 展示場所:
  GALLERY kamokamo
  札幌市南区真駒内幸町 1-1-15   TE.011 – 584 – 0025
● 展示内容:張り子約20点、
  日本画3点ほか
● 佐藤 ひかり プロフィール
1975 年京都生まれ、3歳より札幌在住。
1996 年札幌市立高等専門学校卒業(環境デザイン専攻)。
1997年より 5年間英国に留学し、現代アートを学ぶ。
2001年、The London Institute (現 University of the Arts London) Chelsea College of Art and Design MA 卒業。
その後、アート教室や大学の非常勤講師などを経て、2010年から 2018 年までアートマネジメントの仕事に携わる。その後、家族の介護や近年のコロナ、家族や身近な友人の死などの経験から、「祈り」や「想い」を届ける緑起物として「張り子」に注目し、作品を作り始める。