森林人通信

2021年 ≪春号≫ Vol.117  2021.6

2021年度の活動がスタート! 

  • ●4/10(土)高川山林 薪割り、間伐、チェーンソー講習等  参加者:27名
  • ●5/8(土)新篠津村 耕地防風林 部分伐採  参加者:19名
  • ●5/23(日)北山山林 間伐・材の搬出等  参加者:15名
  • ●6/12(土)高川山林 薪割、玉切り、林内整理 他  参加者:19名

4月10日(土) 小樽市 髙川山林(ワオ-の森)

 冨士本会長の挨拶。「昨年はコロナウイルス禍のため活動が制限され、不本意な一年だった。しかし、今日の参加人数の多さは、集まって皆で活動したかった!という皆さんの気持ちの表れだと感じる。感染対策をしっかりしながら、今日一日気持ち良く活動しましょう。」

 

 そう、参加者は、なんと27名。私と息子(小5)も1年ぶりの活動です。「同居家族以外と飲食を共にしてはいけない。集団には極力近づかない」という職場の規制があり、昨年は最大のお楽しみのキャンプにも参加できませんでした。久しぶりの高川山林から眺める景色の美しいこと!空気の美味しいこと! 久しぶりの活動に心が踊ります。

 チェ-ンソ-取り扱い講習グループ、ネズミ除けシ-トを外す子どもグループ、薪割り&薪運びグループに分かれて活動を開始しました。
 早速、気持ちの良い薪割りの音が、山に響き渡ります。薪割りベテラン会員さんは、素早く次々と割っていきます。初体験の方には、ベテラン会員さんが丁寧に教えてくださる。

 子ども達も、せっせと自分たちに与えられた仕事をこなしていきます。今回は参加者が多かったので、あっという間に、玉切りされた薪割用の木がなくなりました。今度は山の上で切られた木を、下まで降ろす作業に入りました。
 今年は春が早く、例年雪の上を滑らせながら運んでいた木を雪のない中で降ろす作業は、かなりの力仕事です。しかし、皆さんスイスイと降ろしていたので、その逞しさに驚きました。途中の休憩中には、クマゲラが鳴き声を響かせ、その姿を見せてくれました。
 それぞれ、距離をとっての昼食後は、チェ-ンソ-グループが伐倒の実践に入りました。
 木を伐る作業は危険がつきものなので、安全に正確に伐倒する技術は欠かせません。毎年、会長が丁寧に講習してくれます。
 皆さん、晴天の中、それぞれが気持ちの良い汗を流した一日だったようです。その証拠に、なんと体験参加の6名の方が会員となってくださいました。
 今年度は、高川山林での活動が6回予定されています。仲間が増えて、これからの活動がますます楽しみになってきました。

(記 金澤絵里)

伐木、枝払い、玉切り 手際よく

●5月8日(土) 新篠津村 農業用防風林伐採

参加:19名(うち子ども1名) 天候:曇り
 新篠津村役場に集合後、村役場の方の先導で現場である防風林に移動しました。
 畑に接する防風林の一部分を皆伐するということでしたが、ほぼ白樺林で本数は多く、面積も結構な広さです。初めて参加される方も多いことから、安全を重視した作業について会長のお話がありました。

いつものようにラジオ体操を行った後、作業開始です。
 作業分担はチェンソーで立木を伐採する担当が2名、他8名がチェンソーで枝払い、玉切りをしていきます。残りの人は枝の片付けと薪材の運搬です。現場の奥側と手前側の2グループに分かれて作業を進めていきました。白樺林の防風林には途中で折れたり、倒れているものも多くありました。

 傾いた白樺が架かり木になっている危険な状態もありましたが、慎重に伐採していきました。畑脇の白樺の多くは畑側に傾いていて、そのまま伐採すれば畑を直撃します。その畑では、伐採作業を横目に農家の方がブロッコリーの苗を植えています。『絶対に畑には倒せない』というプレッシャーの中、伐採担当の冨士本さん、宮田さんが素晴らしい技術で狙い通りの方向に倒していきました。
 昼食はソーシャルディスタンスを意識しながら、いつものようになごやかに…。
 午後からも引き続き伐採、伐採。最後は空が広く見えるようにすっきりした…ところもありますが、まだまだ続きがあるようです。「続き」は秋頃の予定だそうです。乞う、ご期待?!
 さて、最後まで怪我もなく、無事に終了して、数名がお土産に薪を頂き解散しました。
そして、体験参加の方々もめでたくご入会です。(^▽^)/

(By 久方ぶり参加の ありさだ)

作業後にもお楽しみが!

●5月23日(日) 千歳市 北山山林 間伐材の搬出等

参加:12名(うち子ども2名) 天候:曇りのち晴れ
 朝、目が覚めると天気は小雨。残念ながら活動は中止かなと頭を過ぎりましたが、なんと開催! 現地に着いたら晴れていて、気持ちの良いスタートとなりました。
 今日の作業リーダー・南部さんの司会で開始のミーティングが行われました。
 まず、冨士本会長のお話し。新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言を受けて、活動時間を短縮して午前中で終了することや、各種注意事項について説明がありました。山主の北山さんからもお話を頂きました。お話の中には熊出没注意との話もありました。熊除けの鈴も買おうかな…。緊急事態宣言の為、ラジオ体操は行わず(非常に残念!)、個人的に物陰でアキレス腱を伸ばし、いざ作業へ。
 作業は、二班に分かれて行いました。枝打ち班とチェーンソーを使用した玉切り・薪作り・運搬班です。

 枝打ち班は、節のない良質な材を生産するために枝をカットする作業をしました。
 玉切り・薪作り・運搬班は、昨年の伐倒材や恐らく樹齢70年近くの倒木の枝払いをし、薪材を取り出しました。薪割りをすると中から蟻が沢山出てきて少しびっくりしましたが、きっと蟻のほうがもっとびっくりしたことでしょう。ごめんなさい。
 私は、チェーンソーを使用した玉切りをメインに行いました。前回、初参加の際にチェーンソーの使い方を習ったにも関わらず、使用方法を忘れてしまいました…。再度、一からご指導を頂きながら、作業に取り掛かりました。ご指導、有難うございます。youtubeで復習します。

そんなこんなで、あっという間に無事に作業が終了しました。全体を通してヒヤリハットも無しとのことでした。
 解散後には、おにぎりで腹ごしらえ。自然の中で食べるおにぎりは最高です! クマゲラの鳴き声も聞こえいい感じでした。希望者でフキを採取しました。

 私も参加しましたが、初心者で刃物を持っておりません。そんな私を哀れに思ったのか、優しい先輩会員の皆さんがフキを恵んでくれました。近々ホームセンターで用具を購入したいと思います。自分でも山菜取りが出来る日を楽しみにしています。
 まだまだ未熟物ではありますが、今後も皆さんと、「安全第一」・「楽しく」活動して参ります。今後とも宜しくお願いいたします!最後になりますが、フキ美味しかった!! Tさんから頂いた椎茸も美味でした!! また一段と太りそうです。

(記 羽柴恭平)

 

↓会員のお持ち帰り薪材

刈払機の取り扱い講習も

●6月12日(土) 高川山林(ワオーの森)

参加:19名(うち子ども2名 体験者1名) 天候:曇り・小雨
 このワオーの森は地元・かもめ保育園の園児や地域住民に広く開放されていることから、より良い里山づくりと環境保全を目指してウッディーズとして参画することにしています。

 ちなみに、この森の名称は「ワオー」と鳴くアオバトの棲む森、だから、ワオーの森という名前が付けられたということです。
 今回の活動は玉切り・薪割り、林内の枝等整理、遊歩道の清掃、笹刈り、そして、刈払機取り扱い講習でした。

 ミーティング後、刈払機講習の受講と笹刈りを行う班、玉切り・薪割り班、林内の枝条整理・遊歩道の掃除班に班分けをして活動を開始しました。

 私は刈払機講習を受けました。刈払機講習では刈払機の始業前の点検等のポイントや作業時に気を付けるポイントを学ぶことができ、とても良い講習でした。それぞれの班で活動を行い、作業後は林内がとても綺麗になりました。

森井前会長が退会!(森井さんの会へのメッセージ)

森井前会長 皆様方におかれましては、コロナ渦の中での会運営のご苦労をお察しいたします。
 私事 昨年は一度も参加出来ずに終了してしまいました。仕事面については、新型コロナ発生から約1年が経とうとしておりますが、これにかかりきりといった状況がいまだ続いております。私の業務上の使命である薬局・薬店への商品供給に明け暮れております。
 身体面については、右腕~指先の痺れは収まっておりますが、指先の細かい作業はまだ思うようにいきません。もたもたと、おぼつかずにいます。ボワボワとした指先の感覚から抜け出せずにいます。こんな体なのだと慣れていくようにしています。絶好調のヤングのときを振り返らずにいます。振り返るのは哀しくなるだけ。ムダ。今を生きる。
上記のような状況が、この先しばらく数年間は続くと思います。
 ウッディーズへの参加も難しくなり、退会させていただくことと致しました。
 いつかまたどこかで。ありがとうございました。

森井 浩樹

 

今やれること、今やりたいことを

(森井さんのFacebookへの投稿から)
 札幌市不法投棄ボランティア監視員になった。これまで森林間伐ボランティア団体(木こり)活動に参加していた。とても充実した日々だった。そして心残りだが先日、退会した。首の骨(脛椎)がもともと調子が良くないことが要因で、一昨年から右手の痺れと脱力が起こり始め、山仕事の重労働には堪えられない身体となってしまった。急だった。 木こり仲間とはとても仲良くさせていただいた。仲間と呼ぶには憚られる人生の大先輩が多かったが。腹を割って話せる方々に出会えた。自然環境の話から家庭内の犬も喰わない話まで、いろんな話をさせていただいた。本当に人に恵まれた。
 ボランティア活動、ことさら団体活動では年齢・性別・職業・生い立ちなど社会のいわゆる「垣根」などはキレイさっぱり消滅する。せいせいするほどだ。これらどうでもよいことを越えて、心を許せる仲間同士となれた。 個人の人格を尊重し付き合えた。重労働にも、笑って汗して、昼にはみんなでおにぎりを頬張った。そして語り合った。休日の作業に疲労もともなったが、そんな日々はとても充実していた。
 右手の痺れは軽くなったが、握力はあの日のようにはまだ戻らない。私は目標を見失ってしまった。どこへ向かおう、何が出来よう、と。ここ一年以上、長いこと塞ぎこんだわけだが、考えても答えなどなく、なんだか考えることもつまらなくなったのであります。今やれること、今やりたいことを、今やろうと思ったわけであります。
 で、不法投棄ボランティア監視員、であります。 一人でも出来るボランティア活動。不法ゴミをみつけたら承知せーへんよ!
 また心のエネルギーが湧いてきた。

私はこんなひと

仲間のプロフィール:羽柴 恭兵さん

仕事:会社員  趣味:サウナ・燻製作り

平日は「空の人」、休日は「森の人」に

 今年4月入会の羽柴恭兵、千葉県出身の36歳です。
 父方の実家が道内にあり、幼少からよく北海道に遊びにきていました。自然・食べ物の美味しさに惹かれ大学進学を機に北海道に来ました! そしてそのまま北海道に居つき今年で17年目になります。新千歳空港の運営会社でデスクワークをしています。毎日、空港、空、飛行機を見るのは楽しいけれど、段々と自然を求めるようになりました。そこで、たどり着いたのが、「ウッティーズ」です。
 平日は空人、休日は森人になりたいと思います。初心者ではありますが、山仕事の魅力にどんどんハマっています。
趣味は、サウナ。汗を流し、水風呂に入り、ベンチに座り休憩する。最高です。最近は、「サウナ・スパ健康」という資格を取得しようかなと思っています。
 第二の趣味は、燻製作り。最近は、ウイスキーの香りのついた木屑で作るのが好きです。甘目に仕上がります。それを食べながら、手作り梅酒を飲む…。これまた最高です。
 こんな私ではありますが、少しずつ山の事を覚えていきたいと思います。宜しくお願いいたします。

森の本棚

勇払原野 苫東コモンズの10年

薪を焚く(特定非営利法人苫東環境コモンズ)

 苫東コモンズ誕生以来10年、その間の活動を網羅した一冊である。
 多士済々といった趣のメンバーたちが樹と森に向き合った数々の思い出を語り、薪ストーブとともにある生活を楽しげに披瀝する。個人的には懐かしい方々との「再会」もあって殊更に感慨深い。
 年に2~3度発刊される「~コモンズの現地から発信する~勇払原野のSPIRIT」と題するニュースレター(2ページ構成)の10年分。これが冊子の半分近くを占めて、そこに10年間の活動が細大漏らさず記録されている。会員の一人一人が、その活動の一コマ一コマが、時の経過に埋もれることなく記憶される確かな手がかりとなるだろう。
 巻末の、同コモンズ事務局長・草苅氏によるレポート「苫東コモンズの経過と展望」は、タイトルが示すようにコモンズの誕生から現在までを、そして未来を俯瞰する論考である。
 同論考中の≪10年のコモンズ林業(略)で見えてきた指針≫には、「大木の雑木林にしてはいけない」「軽易な林の小径づくりがコモンズ林業の要諦」「高齢者でも活動できる作業環境」などとあり、我が山林でも…と感じ入ったところである。また、≪薪ストーブ生活の起承転結≫では、「美しい森林公園の創出と並んで薪の生産がコモンズ林業のゴールである」とも述べられている。自分で伐った樹を自宅の薪にする、薪の入手を望んで会員になる人がいる、生産した薪がコモンズの資金源となっている、等々を知り甚く納得する。
 なお、本誌には同名タイトルのDVDが添付されていて、コモンズの作業風景、技術講習の様子などの映像が約25分にわたって紹介されている。殊にも四季折々の、懐かしささえ覚えるような苫東の森林景観が心を打つ。
 本誌の「あとがき」には、「コロナ後の生活スタイルが模索される今、この冊子には、雑木林の保育や新しい里山の創出・保全、そして薪のある暮らしにいざなうメッセージにあふれている…」とある。同感、納得!

* 併せてのお薦めは草苅氏の「雑木林&庭づくり研究室」(http://hayashi-kokoro.com/ )。
ほとんど日替わりで更新されていて、自然と向き合う心、木を生活に取り入れる知恵が惜しみなく開陳される。苫東コモンズの活動経過の詳細も。

(高川 勝)