森林人通信

2021年 ≪夏号≫ Vol.118  2021.8

6月、7月、8月の活動のあらすじ

  • ●6/27(日)高川山林 笹刈り、作業道づくり  参加者:17名
  • ●7/10(土)NPO新山川草木 22世紀の森 草刈り  参加者:26名
  • ●7/25(日)柴原山林 笹刈り・枯損木処理  参加者:15名
  • ●8/7(土)柴原山林 笹刈り・枯損木処理  参加者:14名

山道づくりスタート!

6月27 日(日) 高川山林

天候:快晴 参加者:17 名
 6月という北海道の素晴らしい青空のもと、とうとう高川山林の道づくりが始まりました。今日は会長が都合で遅刻というので、宮田リーダーがしっかりと作業内容と危険告知を行いました。刈払い班3~4名、道づくり班3名×2班ということで、様々な道具を用いて作業開始です。

 今回の道は、散策用ではなく玉切り材などを運んだりするための作業道ということです。なので、できるだけ起伏の少ないルートでいくということでした。三本鍬とつるはしで、1メートルほどの道幅を確保するため、土を削り落とし、削った土を平らにして、平坦な道を作っていきます。土留めにはそこら中にある石、そして焼き丸太を使います。

 土を削ると、石やら木の根がワンサカと出てきて悪戦苦闘。石を取り除き、根を切り、道づくりは進んでいきます。最終工程は「高橋舗装工業」と「金澤仕上げ工業」(二人とも女性会員)の行き届いた仕事で、本当にきれいな道が着々とできていきます。自分たちで道を作っている! という実感がとても心地よかった。

 子どもたちも、根を剪定ハサミやのこぎりで切ったり、石を取り除いたりと大忙し! ここでも、みんなで力を合わせて本当に道を作ってるんだ!感が凄かったです。そしてそれは、昔の人はこうして人力で道路を作っていったんだなぁ、という思いに至るのでした。そんなに早くは進まないだろうと思っていた道は、今日は20 メートルくらいはできたでしょうか。

 みんなでワイワイと騒ぎながらの道づくり! 皆さんやってごらんなさいませ! おっもしろいですよぉ。暑くて暑くて、お昼は、個別に食べられるアイスをみんなでほおばり、また午後からも延々とがんばった一日でした。あーー、楽しかった!!

(記:佐藤友子)

他団体と力を合わせて!

7月10 日(土)新山川草木を育てる集い22世紀の森草刈り

天候:曇り 参加者:26 名(大人21 名、子供4 名、体験1 名)
 8時30 分JR 当別駅駐車場に集合。おーっと、ウッディーズの面々の車で駐車場が満車状態だ。(こんなの見たことねぇ~わ)

 全員集合!! いざ出発。 で、実はここから作業現場までが結構遠いのです。長~~~~い車列を組んで本日のフィールド『当別22 世紀の森』へ向かいます。当別ダムを通過し、出発から約30 分で到着です。あらら、入り口の道から草ぼうぼうではあ~りませんか。いったいフィールドはどうなっていることやら・・・不安がよぎります。到着してみると不安は的中。草ぼうぼうです。しかしこんな状況に、がぜんやる気を出すのがウッディーズでもあります。身支度を済ませ、新山川草木さんを中心にほかの団体さんも含め全員集合しミーティングです。(ウッディーズが一番多かったりしますが・・・)

 その後、冨士本会長により、刈り払い機の安全な使い方と作業中の注意についてレクチャーが行われました。それから各々分散しそれぞれの作業場へ。会長と宮田氏と数名のメンバーはチェーンソーを使用しての木の伐採講習へ。ほかのメンバーは草刈りへ。

 手鎌を使用しての手刈り班と刈払い機班に分かれます。さらに刈払い機班は自前機を使うベテラングループと、会の機械を使う初心者グループに分かれて作業を行います。今回の作業場は2011 年に植林した区域です。
 このフィールドはアブや蚊がいるうえに木陰がなく炎天下で作業するには過酷なのですが、幸いにも本日の天候はくもりです。しかしながら腰の高さほどに伸びた草は太く密集し、刈り取るには手ごわい状況です。まず手刈り班が先行して幼木を傷めないように周囲の草を刈ります。そのあとに刈払い機が続きますが、接近作業にならないよう刈払い機班は道路の脇・平場・植樹帯と分散して作業します。草をかき分けながら行う手刈りは重労働で、今日の作業の中では一番きつかったのではないでしょうか。手刈り班のみなさま大変お疲れさまでした。
 休憩を取りながら水分を補給しつつ作業をして、いよいよお楽しみの昼食タイムです。いつもながら、炭をおこしてのバーベキュー。段取りだけでも相当な準備と労力が必要です。(感謝感謝)お肉も焼きそばも漬物もチーズの燻製も、他にいっぱいあった食べ物ぜーーーんぶ美味しかったです。新山川草木の皆様、いつも本当にありがとうございます。

 新山川草木さんの管理しているこの森のルーツは、1989 年に誕生した北海道ボランティアレンジャー『山川草木を育てる集い』にあります。“どろ亀さん”こと髙橋延清先生(東京大学名誉教授)と、“荒馬さん”こと野月筆雄さんが北海道に1 本でも多く木を植える活動を始めました。その活動は遠方から離島まで出かけ植樹をするというもので2002 年の秋まで続きました。
 2002 年1 月にどろ亀さんが、後を追うように2003 年3 月に荒馬さんが旅立ちましたが、仲間たちが2人の遺志を引き継ぎ、会の名前に“新”をつけ2003 年10 月『NPO 法人新山川草木を育てる集い』を設立し現在に至ります。どろ亀さんが「道民の森の入り口に一休みしてぶらぶら散策できるような場所がほしいものだ」と話していたことからこの場所「当別22 世紀の森」に、多雪地水田跡での広葉樹植林として2003 年から2012 年まで、広さ11 ヘクタールに植林し、以降は森の管理をおこなっています。
 札幌ウッディーズは2007年からこの活動に参加しています。今後もこの活動に加わり、この森の行く末を見守りたいものです。(バーベキューを楽しみにしつつ・・・)
 昼食後に解散の予定でしたが、多少のやり残しもあり、また「やり足りねぇ~」との声もあり、区切りの良いところまで作業をしました。

 けがもなく虫刺されも少なく無事に作業終了です。多くの人に参加いただいたので作業もはかどりました。使用した機械の清掃と整備をし、反省会と終礼。体験の早坂さんも入会されました(パチパチパチ)。また仲間が一人増えました。ありがたいことです。
 今後も無理せず“楽しく”活動しましょう。暑い中での活動、みなさま大変お疲れさまでした。

(記:まつだ)

猛暑にもめげず

●7 月25 日(日)柴原山林笹刈り・枯損木処理

天候:炎天 参加:15 名(うち子供4名)
 現場に近づくと「ウッデイーズ」の旗がこっちだヨと言わんばかりにたなびいていました。それに導かれて車を進めると作業現場までのアプローチはもうすでに草刈りが終わっています。この現場で毎回行われている冨士本会長の行動のようで、今回は異常乾燥のもと「雨乞い」の思いが込められていたのかも。その冨士本氏の軽トラが一番奥に止められていて、その横に汗をぬぐっている冨士本氏が松田氏と会話していました。ひょっとすると松田氏も「雨乞い」(イヤ、草刈り)に参加していたのかも?

 そうこうするうち駐車スペースはぼ一杯になり、参加メンバーがそろったところで活動開始です。今回よりコロナ対策のため封印していたラジオ体操が復活して、沖縄弁でのラジオ体操が行われました。コロナは継続中でソーシャルディスタンスは解禁されていませんが、現場は換気し放題、密にならないスペースは山林だけに山程あります。

 ラジオ体操の後はミーティングです。初めに冨士本会長より「柴原山林」と「ウッデイーズ」との出会いのいきさつと山主との打ち合わせが行われたというお話しがありました。 「柴原山林」と「ウッディーズ」とはと古い付き合いで、森林組合の後を引き継いだようです。そして山主さんより会員の皆さんにと「高級ゼリー」を頂いたというお話があり、そのあとはいつもの安全作業のための注意喚起。熱中症予防に対する話は特に丁寧になされました。
 作業内容は林内にはびこった笹刈りと広場の幼木周りの草刈りです。ほかの山林では草刈りなのですが、ここは高さが1m以上あるような笹でおおわれていました。しかも笹より太くて硬い「ネマガリ竹」もあるそうです(去年はこんなになっていなかった気がするのですが)。

 笹刈りは刈払い機でおこない、幼木周りの草刈りは手鎌で行われます。振り分けは刈払い機の代数に限りがあるので機械からあぶれた大人と子ども達は幼木班、機械を扱う大人が笹刈班です。子どもたちは今や貴重な「ウッディーズの戦力」なので、頼りにしています!
 いよいよ作業開始。私は笹薮と化した林内に向かいました。今年は刈払い機を使う作業が多く、どの現場でも大なり小なりの石が気になっていたのですが、ここでは石に出会いませんでした。土地柄なのでしょうか?

 さて昼食の時間です。私はクーラーボックスから冷やし中華を選びました。体温が下がるのを感じました。さらに山主さんからのゼリー。これで体が相当冷却されました。とどめは南部さんからの差し入れのブルーベリー。今日はナンて日だ!食べ物満載です。これは午後の作業も頑張らんといかん。
 午後は午前の続きです。私は他の現場を見に行く余裕が有りませんでしたが、木陰がない場所での炎天下の作業は過酷だったのではないでしょうか。そのせいか熱中症症状者が2名程出ました。1名は大事になるまえに帰宅、もう1名は軽症だったのでしょう、最後まで残っていました。私は昼の冷麺とゼリーとブル-ベリーのおかげで何とかしのぐことが出来ました。今日の作業で、林内は大分風が通る様になったので次回はもうすこし楽なのでは。ということで作業は次回に続きます。

(記:YM)

猛暑下、木陰の涼風と極ウマの冷麺!

●8月7日(土)柴原山林 笹刈り

天候:猛暑 参加:14 名
 今回も、前回に引き続きの柴原山林で、作業内容は主に笹刈り。9時に現場集合し、ラジオ体操で体を解したあと森に入りますが、先ずは、草刈り機の準備です。ウッディーズでは、準備は各人が行います。ただ、分からなければ優しく?教えてもらえるのも良いところ。各自使用する機具に刃を取り付け、燃油を注入。エンジンを試運転し準備完了。
 私事ですが、ウッディーズに入会する前は草刈り機などほとんど触った事がありません。実家の親父が自宅で作業しているのを横目に逃げまくっていました。その私が、入会するやメンバーの助けをいただきき、草刈り機を扱える様になるとは、自分でも感動です。
 さあ、作業開始です。森に入ったあとは、人との間に十分の距離をとります。草刈りと言ってもこれがまた、一苦労。第一に暑さ。札幌とは言え、数十年ぶりの酷暑。第二にこのクマ笹。
 密生する背丈以上の笹をを草刈り機で刈って行きますが、なかなかの重労働。刈っても刈ってもクマ笹だらけ。そこにこの暑さ。10分もしない内に汗がダラダラ!

 要所要所で水分を補給して各自自己判断で休憩を入れます。私も休憩を入れながら、ふと思ったことは、クマ笹を刈っている間から本物のクマが出できたらどう対処すればいいのか。妄想に妄想した結果、草刈り機で大きな音を1時間も出していれば、クマの方から去ってくれると自分の中で結論が出たところで、午前の作業が終了。
 全員が集合場所に戻ったところでお昼です。通常は各自弁当を持参しますが、今日は冷やし中華・うどんの支給です!(コンビニの冷やし麺ですが) これがまたうまい。火照った体に冷えた麺。汗で失った塩分を、麺つゆで補う。マッタリしたところにそよ風が心地良い。
 なんと充実したボランティア活動なのか。お金を貰うわけでもなく、このメンバーは黙々と仕事をこなす。こんなメンバーに囲まれて、とても居心地が良いボランティア団体です!

(記:田中 智)

私はこんなひと
佐藤さん

仲間のプロフィール:佐藤 さん

仕事:果樹園勤務  趣味:絵を描くこと、張り子制作、合気道

 両親は関西出身ですが、3歳から札幌育ちで、ほぼ道産子です。子どもの頃から外遊びが好きで、生き物や自然が好き。自然保護や森林保全に興味を持ち、C.W.ニコルさんや、どろ亀先生の本を読んだりしていました。

 学生時代は、地元で美術やデザインを勉強した後、現代アートに憧れて、ロンドンの芸大に進学。英語に苦労しましたが、貴重な経験でした。大学卒業後は札幌に戻り、子どものアート教室、大学の非常勤講師、仏画の制作等々、紆余曲折を経て、札幌駅・JRタワーの運営会社に入社。イベントや展覧会など、文化事業の仕事をしていました。が、多忙な仕事に加えて、家では主婦業、また、親の介護が重なり、目の回るような生活が続くように…。体力の限界を感じて、数年前に退職。現在は、定山渓の果樹園でパート仕事をしながら、絵や立体(張り子)の作品制作など、創作活動の再開を目指しています。
 ウッディーズの活動は、憧れの森林保全に携わる夢が叶ったような気がして、とてもワクワクしています。また、森で出会った動植物をモチーフに、作品が出来れば素敵かも…と、密かに思っています。山の作業は不慣れな初心者ですが、どうぞよろしくお願いします。

森林人コラム

山道をつくる 何という楽しさ!

 道づくりにうつつを抜かしている。ハマっちゃった! この喜びと興奮ぶりには既視感がある。20 年前、遊歩道を闇雲に作った時のそれである。ただ、当時と違うのは今回は孤独な作業ではないということ。ウッディーズの事業として取り組まれている。そして、それが契機で例会の日以外にも仲間の宮田さんが作業に協力(先導)してくれているということ。‘今日はボケーッとしていようか’と思っていると、「やるかい?」と尻を叩いてくる。‘チョッときついなぁ’と思いつつも、好意を無にするわけにはいかず山へ出かける。
 しかし、いったん作業にかかると、猛暑であることも、我が身がヨレヨレの老人であることも忘れてシャカリキになる。高川が石積みを担当し、宮田さんが斜面を切り崩し平滑な路面を形成していく。時には前会員の工藤さんもツルハシ持参で駆けつけてくる。作業を終えて、汗を滴らせ荒い息をつきながら、その日、数メートル延伸した山道を眺め、‘やったなぁ~!’という達成感に満たされる。出来上がった作業道の先端部まで行きつ戻りつ歩いてみる。歩きやすい! まず、傾斜が緩やかである。登山道は急勾配、凸凹が楽しみでもあり、我が既存の遊歩道もどちらかといえば登山道に近いと思われ、「行ってらっしゃい!」と見送って程なく戻ってくる高齢者も時にはいて、その斜度は自身にとっても些か厳しい…と感じるようになってもいた。今、作業道として造成している山道は、体力を問わずゆったりと歩ける遊歩道としても楽しめるものではないか。
 道づくりをしている周辺は木立が鬱蒼としている。そんな景観も気になってきた。取り敢えず、新設の山道に懸かる数本の木を伐ってみると、陰鬱な趣を醸す森の雰囲気が格段に明るいものに変わった。森を明るくしよう! 積極的に伐木を行おうと思った。ただ、伐木材の搬出が課題である。と、そこへ「良いものがある!」と宮田氏が木材搬出用(電動)運搬車を紹介してくれた!価格も手ごろ!! 即、導入した。
 森づくりという営み、この後どれだけ続けられるか心許ないが、楽しみになってきた。

(高川 勝)