森林人コラム

在定 真一氏によるコラム「ログハウスは終わらない」


第2回 — 木の家で暮してみると —

 今年もすでに雪の壁が我が家を取り囲んでいます。外の景色も夏からはすっかり変わっていますが、ログハウスに住んでいると、季節の変化をいろいろなところで見つけたり、感じることが多くあります。

窓からの景色

 昨年、初めての冬を過ごしたときに、ストーブの前の床板が収縮して隙間ができ、その隙間がだんだん大きくなり・・・やっぱり乾燥が大きい場所は仕方がないと思いつつも、「このまま隙間だらけの床で大丈夫だろうか?」と少し不安になりました。さらに、大工さんに作ってもらったキッチンカウンターにも隙間ができたため、すぐに大工さんに連絡してパテで埋めてもらったのです。ところが、夏になると、いつの間にか床板は元に戻り、キッチンカウンターもパテが浮き出るくらいに木が伸びて元に戻ったのでした。今はというと、また、床板は隙間があちこちに・・・そして、キッチンカウンターの隙間も当然現れました。「これが木が生きている」という感覚だと、今ではびっくりしなくなり、壁の板が反ったりすることは当たり前という感じです。

 また、昨年は春からたくさんの虫たちの訪問を受けました。それも、半端じゃないくらいの大勢でやってきました。春先5月ころから庭先に蟻の行列が多数発生、その蟻が少しおとなしくなると、次は毛虫の大発生。そして、それがやや落ち着いた頃にはヤスデが家の中に入ってきて、気をつけていないとうっかり踏み潰してしまうことが結構ありました。それが終わった秋口にはカマドウマ、初冬にはカメムシと「キアシブトコバチ」という小さな可愛いらしいハチ・・・・という風に季節ごとに主役が交代していったのです。おかげで虫の名前も覚えることができましたし、今では、たまにカメムシを見つけても、放っておく気持ちの余裕もできました。

 虫は嫌いな人も多いとは思いますが、家では野鳥観察もできます。朝食を食べながら、居間の窓からアカゲラ、シジュウカラ、ヤマガラなどをよく見ます。そして、たまにエゾリスやキタキツネも遊びに来てくれます。

 さて、話は前後して、前回のお話の続きです。美深町暮らしの9年間に知り合ったログハウスの先輩方の影響も受け、札幌に越してきて1年目にログハウスを建てることを決めました。ログメーカーはセルフビルドも応援してくれるという会社にお願いし、「自分でできるところ」ということで、外壁の塗装をさせてもらうことにしたのですが、これが後々、大変なことになるとは初めは思っていませんでした。(続く)

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