Vol.74 2011.10.20

大径木の処理に重機活躍

 炎天下で下刈りに汗を流したのがほんの少し前だったのに、山はもう紅葉の季節を過ぎようとしている。木々が時の移ろい告げる森の中で、仲間が生き生きと森づくりにいそしむ。

活動日誌 (9月~10月途中)

田嶋山林・伐倒ドドーンと、地響きを立てて倒れる。
 (田嶋山林)
田嶋山林・玉切り材の集積斜面を引きずり下ろした玉切り材を、ユンボで集積。女の…太腕が頼もしい(^_^)/ (田嶋山林)

9月10日 田嶋山林  15名参加
 最近、ウッディーズの活動現場では、会員が重機を自在に駆使する光景が普通になった。ウッディーズの作業で建設機械のユンボが使われたのは、昨年の柴原山林からだが、今年は田嶋山林の現場で使用している。  ここのカラマツの大径木は人力で集積する限界を超えているため、下山会長所有のユンボが投入された。
 ウッディーズ発足以来10年、作業内容・作業レベルがここまできたかと感慨を深くする。このうえも、技術の取得と安全意識の向上に努めたいものだ。

9月17~18日 下山山林  12名参加
  年に一度、一泊の室蘭遠征。作業後、夜が更けるまでの、話題が万般にわたる歓談は他で味わえない愉しみ。毎回参加の会員も多い。

9月25日 柴原山林  7名参加
   青空のもと、植林地の下刈りと散策路の整備。手を入れ始めて3年。光がタップリ入るようになった。木の間ごしに青空と雲を見上げて気持ちを和ませる。

10月1日田嶋山林 8名参加
 伐木作業。中には直径60センチもありそうな木もあり、重心に逆らって倒す。

10月8日柴原山林 12名参加
 散策路の整備。

ウッディーズブログ「活動の記録」(コメント)から
 「ドドーンと倒れる」ってことは倒れる場所がある。 お隣との境の我が家のヒバが2階屋根より伸びてしまい切りたくてもお隣の壁にぶつかってはコトです。プライヴェートなことですみませ~ん。(i さん)
i さんへ
 それはお困りですね。出張ご奉仕しますよ。(編集室)

活動の原点を確認し 森林再生に貢献を

 前会長の辞任を受け、10月10日、臨時役員会を開催し、以下の2点とその他の事項を確認した。
① 運営の方向性
 高度な林業知識・技術を習得し、その活用をもって森林再生に実際的な貢献をする、という活動スタイルを堅持する。
 そのために、運営上の問題点を随時明らかにし、会員間の議論を重ね(風通しをよくして)解決を図る。
② 施業計画案の作成
 山林所有者(山主)が望む山づくりを進めるため、山主の意向を聞き取り、それに基づいて各山林ごとに施業計画案を作成する。

福島のヒマワリ 2011年

 今年の夏、放射能に汚染された福島で、ヒマワリは復興への希望の象徴だった。ヒマワリが土壌中のセシウムを吸収する性質があると考えられたからだ。
 しかし、実証実験の結果、土壌に含まれるセシウムの2千分の1しか吸収しないことがわかり、期待を寄せていた農家などをガッカリさせた。
 「朝日歌壇」(朝日新聞)に次のような短歌があった。
 ヒマワリはかなしき花となりにけり汚染の土地にあまた咲きいて  (福島市  美原凍子)
 数年前まで夕張市に在住していた歌人の作である。
 この作品に並んで、
 父を母をかえせと哭(な)きし峠三吉土を村をと呻(うめ)く福島  (名古屋市  諏訪兼位)
とあった。
ヒマワリ 写真 大竹啓之
 会員・大竹さんからメッセージが届いた。
      * * * * * * *
 6月に実家の庭に種を蒔いたひまわりがきれいに咲きました。色も形もすばらしい。
ひまわりはすべてをポジティブに感じさせてくれる花だと思います。
      * * * * * * *
 さて、ヒマワリだが、本来、もちろん人を悲しませる花ではない。やはり、福島の復興を象徴するような元気な花である。

ムー大陸の夢

第4回
ムー神人は日本にきたか

  〝無〟は、ムー大陸を表す文字だという説があるのをご存知だろうか。昭和一桁生まれのかたなら戦時下の日本で広く伝播したのでご記憶と思う。
 〝無〟の上の部分は古代ギリシアの神殿の写しだ。下は波だから、つまり海洋帝国ムーを表すというのだ。
 時々、両親のところに顔を出していた陸軍将校が真面目な顔をしてそう言ったので、小学生だった筆者は堅く信じていた。
 むろん、誤りである。〝無〟には、昔は〝林〟という字が入っていて、草木の茂る林が失われるという意味であった。
 ともあれ、筆者の記憶では、旧陸軍将校の間でムー大陸が話題となったらしい痕跡がある。当時の日本は南洋進出を目論んでいたからだろうか。同じころ、ジンギスカン/源義経説も大いに流布した。この背景には大陸進攻を合法化する意識があったと思う。
 第一、〈日本原人説〉なる説さえも一流大学の先生が唱えていた時代であった。 というわけで、ムー大陸存在説には、どこか、うさん臭さもないわけではない。
大台ヶ原大台ヶ原 [wikipedia]
 ムー神人が、わが国にも来たという話もある。上陸地点は、今回、台風の被害にあった紀伊半島。おそらく伊勢二見浦付近に河口のある宮川を南西へ遡り、日本有数の降雨地帯大台ヶ原を越えて玉置山(一〇七六米)に入った。ここは熊野本宮の奥宮である。(あるいは、熊野の少し南の有馬がイザナミノ命を葬ったとされる地なので、ここから幽地、大台ヶ原へ直接向かったのかもしれない)
 私が取材で出かけたコースは、奈良から十津川経由だった。今回、崩落した土砂ダムの脅威に曝されている場所である。
 玉置山の由来は丸石信仰である。実際、社殿とは別に、大樹の根元に玉砂利を敷き、まん丸な玉石が祀られていた。
 と言うことは、中米コスタリカの巨大石球を連想させるが、まさに深山幽谷の趣き。大地(地球)の神、国常立命が祭神である。
 実は奇妙な付合がある。紀伊半島南東部は牟婁(むろう)郡だ。ムー大陸はムーロア大陸とも言うから、付合するではないか。
 他にも、ムー伝説の極めつきは南九州、開聞岳の頂上に祀られているムーの秘宝だ。頂へは登れなかったが、麓を車で走った。
 かつて噴火していた富士山型の火山。海岸に接し標高九二二米。夜は沖合から火柱が見え、昼は水平線の彼方からでも噴煙が見えた。
 開聞岳は、超古代、南から来る航海民には重要な灯台の役目を果たしていたのである。  (つづく)

(あらまきよしお  作家・荒巻山林山主)

(荒巻義雄氏による「北極圏への旅」第1回~第5回及び「絶海の孤島問題」第1回~第5回は、「森林人コラム」で読めます)

命を引き継ぐ 木や虫たちの智恵

19. セイタカアワダチソウ

セイタカアワダチソウセイタカアワダチソウ
セイタカアワダチソウの花セイタカアワダチソウの花

 8月から10月にかけて、野原を真っ黄色に染めて咲くセイタカアワダチソウの大群落を見ることがあるでしょう。北アメリカ原産の多年生草本です。日本への渡来は明治年間、観賞用に導入されたといわれています。それが逃げ出して全国に広がりました。晩秋まで花があるので養蜂業者が全国に広めたことがあるといわれています。
 どうして大群落を作ることが出来るのでしょうか。長い地下茎をだして栄養繁殖しますが、その際この植物は根から化学物質を分泌して他の植物の生育を阻害しています。植物が特殊な化学物質(アレロパシー物質)を出して、周辺の生物の成育をコントロールする現象をアレロパシーといいます。大群落の形成はアレロパシー植物だからです。
 アレロパシー物質は自種に対しても阻害的に働く場合があります。セイタカアワダチソウは自分が出す化学物質によって勢いを減じていくといわれています。

(文・写真 春日頼雄)


(「命を引き継ぐ 木や虫たちの智恵」のバックナンバーは、「森林人コラム」で読めます)

林間独語

▼9月後半から10月始めにかけての都合2週間ほど、日本海に臨む寿都町に行っていた。岩内町から海岸線沿いに南下すると、漁業者の住宅や作業舎などの廃屋が次々と現れた。言いようもなく淋しいその風景に胸をつかれた。後で、岩内町でも寿都町でも漁業者が激減しているという話を聞いたとき、さもありなんと、その光景が目に甦った。

▼寿都町は泊原発から最短で20数キロのところにある。原発が54基もあるという日本のことだから、威容を誇る原発の傍らに寂れゆく漁村が佇む…、これが社会を象徴する景なのかも知れない。

▼寿都町に滞在中、隣町の岩内で原発推進の可否が争点となった町長選挙があった。選挙は、一定の批判票はあるものの原発推進体制に揺るぎがないように見える結果で終わった。産業も生活も、もう後戻りが難しい構造になっているのさ、という諦めに似たつぶやきを耳にした。

▼福島原発事故を受けて原発推進政策が撤回されたドイツのような国があるのに、肝心の日本は、ジリジリと原発推進へ回帰している。原因究明もなされず、事故処理の見通しも立たずお先真っ暗なのに。福島では、市民の要求に行政が押される形で、生活空間の除染が進められているが、汚染土壌や汚泥の保管・管理がままならない。一方で、除染作業に備えて、森林全域を対象に放射能汚染実地調査が始まったという。確かに、水などを涵養し、農業や漁業、人の生活の源である森林の除染は最も望ましい。しかし、樹木を、森林を除染するとなると、時間も費用も技術も、大変な作業ではないか。そもそも、森林の除染など可能なのか。

(MT生)

 

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