白旗なあなあ日常

(文・笛木 森之助)

Vol.3

 例年より早目の紅葉は白旗山でも見頃を迎えている。 彩り豊かな森林の中で仕事出来るなんて、傍目には「いやァー、いいんでないかいっ」と言われそうだけど 、綺麗な蔦漆等の蔓が絡んだ樹木の下では、大汗を掻きながら樵が藻掻いているかも…

 白旗山の一画では唐松林の間伐作業が最終段階に突入。  8町歩弱の区画にある 1,500本の作業対象木を7人で処理する請負仕事。 1日1人当り27本余りを7日と4分の3日で処理しないと日給に満たないことに…

 間伐の目的は言わでものことだけど、白旗山では上層の優勢木を残して 形質の悪い木から伐採していく劣勢木間伐 (下層間伐)が標準。間伐に一連の作業としては、間伐の程度を決めるための標準地調査、伐る樹木を選択する選木調査、 安全作業のための笹刈り、立木を伐り倒す伐倒作業、伐倒した木の枝を払い幹を用途に合わせた寸法に切断して素材丸太にする 玉切り作業、大鳶(おおとび)を使い人力で丸太を数本の小単位に集める木寄せ作業、小単位の丸太をワイヤーで括ったものを 数単位ずつブルドーザで一定の場所(山土場)まで運び出すブル集材、集材した丸太を木材用の直材(末口の大きさで区分)と 製紙用パルプ材とに分ける選別作業、パルプ材丸太を二等分して杭材(くいざい)を選び出す切断作業、区分けして整然と 積み重ねた(椪積(はえづ)み)丸太を山土場から林外へ搬出する運材作業などがあると思うけど、 今回は間伐作業と言えばこれ、の伐倒と玉切りのお話。

 作業対象木は、主役の唐松と広葉樹全般(雑木)で、選木調査の際に印付けしてある。 具体的には、樹高20m前後で根際(ねぎわ)からの高さ(道基準で130p)の直径(胸高直径)が40p前後の中径木、強風によって根元から倒れた 風倒木、立枯れしてしまった枯損木、5p程度の太さでも主役の生長を阻害する支障木と様々あるが、商品にできるものは 上手く玉切りして採材し、他のものは木寄せやブル集材で支障にならない程度の枝払いと切断をして土に還って貰う。 (ナムアミダブツ、エーメン…)

 間伐作業で入山する前には、全員で地形図を見ながら作業範囲を割り振って確認する…こともなく、「こっち入るから」、 「したら、そっち入るから」と三々五々入山していく。これは、誰がどの辺りをどういう状況で作業しているか、 常に俯瞰的視野で状況を把握できるという高度なワザと、厚い信頼関係があらばこそ(ブホッ)。 さあ、いよいよ作業開始だが…続きはまたの機会に。

 

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