木を友に

(文:中野 常明)

15 ハクウンボク

ハクウンボク

さ15m、直径30cmになるエゴノキ科の高木。葉は円形〜広倒卵形で長さ10〜20cmと比較的大きい。そのためか別名ハビロ(葉広)とも呼ばれる。葉の裏には星状毛が密生していて白っぽく見える。花は総状花序を作って6月頃下向きに咲く。白い花びらは5枚で深裂する。秋には軟毛を被った実が付き、中には褐色の実が一つある。日本各地に分布し、道内では道東、道央、道南の太平洋岸に多い。樹皮は黒っぽく滑らか。材は緻密で弾力があるので、彫刻、器具、ろくろ細工などに用いる。

の木に出会ったのは、20年程も前のゴルフ場だった。とんでもない方向にボールを曲げてしまい、探しに行った先で、真っ白に花を付けている1本の木を見つけた。今まで見たことのない木に見惚れていて、キャディに呼び戻された。家に戻ってから図鑑で調べ、ハクウンボクと分かった。
花が木全体を覆うように咲いていたのを思い出して、ハクウンボクという命名に納得した。
その後、この木に対面する機会が沢山あった。北大植物園、大通公園、知事公館の庭、芸術の森美術館の前庭、ウオーキングの途中にある小公園、ワオーの森等々であった。気を付けてみていると発見できるが、漫然と見ていると見逃すことが多い。植樹数は少なく札幌市の広葉樹の並木としては、ベスト18に入っていない。丸い葉は愛らしく、夏には立派な日陰を作る。房状に咲く白い花は清楚だ。実はギンナンの果肉を落としたほどの大きさだ。丸々としていて子供がおもちゃにしそうだ。一度、実を拾ってきて庭に埋めてみたら、発芽率は10%程度。これでは苗木屋は儲からないだろう。

〜4年前に藻岩山北の沢の登山道沿いに10数本のハクウンボクを植えた。酪農大学の学生さんが手伝ってくれた。余りよい苗でなかったのと手入れ不足で、後の成長が良くない。横に枝を張る習性があり雪害を受け易く分枝点から裂ける。従ってこの木の大木を見ることは少ない。ところが先日、南高の学校林手入れの手伝いの帰途見事な大木に出会った。白旗山の営林事務所近くで、直径20cm、高さ10mの独立木が1本見事に花を付けているのに出会った(写真)。流石専門家、育て方が違う、と感心して帰ってきた。

 

【参考図書】
・佐藤孝夫「新版北海道樹木図鑑」(亜璃西社 )
・宮部金後他「北海道主要樹木図譜」(北大図書刊行会)
・鮫島淳一郎「北海道の樹木」(北海道新聞社 )

 

 

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