命を引き継ぐ 木や虫たちの智恵

(文・写真:春日順雄)

11 エゾタンポポとセイヨウタンポポ

セイヨウタンポポ エゾタンポポは在来種です。ところが、私たちの目にするタンポポのほとん どが外来種のセイヨウタンポポです。セイヨウタンポポは、札幌農学校創立当 時の教師W.P.Brooksが蔬菜用に栽培したものが逃げ出したものだといわれてい ます。

 およそ120年の間に北海道のタンポポの分布は劇的な変化を遂げました。 エゾタンポポとセイヨウタンポポの間に「タンポポ戦争」があって、セイヨウ タンポポが勝ち、エゾタンポポは数を減らしたからです。
 どうしてエゾタンポポは数を減らしたのでしょう。

エゾタンポポ エゾタンポポ(写真上)の花期は、5〜6月。春しか咲きません。しかも、同じ仲間の 他の個体からの花粉を受けないと種子は出来ません。つまり、他家受粉です。
 セイヨウタンポポ(写真下)は、年中いつでも花を咲かせます。自家受粉(同一個体内 での受粉)でも他家受粉でも種子をつくります。さらに、セイヨウタンポポ は、エゾタンポポと交雑するといわれています。純粋なエゾタンポポが数を減 らすわけです。
 エゾタンポポがセイヨウタンポポに取って代わられたのは、 命をつなぐ仕組みに違いがあるからです。

 エゾタンポポの花は美しく鮮やかな濃い黄色です。総苞片は反り返らないの で、容姿端麗にみえます。写真のエゾタンポポは、大倉山から小別沢方向に少 し下ったところで写したものです(撮影日 07年5月27日)。セイヨウタンポ ポの総苞片は反り返ります。エゾタンポポとの違いの目印です。
 セイヨウオオマルハナバチ、オオハンゴンソウ、アライグマなど外来種が勢 力を伸ばすのは困ったことです。

 

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